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高齢歩行者,高齢自転車利用者等の交通安全対策

「本格的な高齢社会への移行に向けた総合的な高齢者交通安全対策について」
(平成15年3月27日 交通対策本部決定)の推進状況(平成18年3月)

高齢歩行者,高齢自転車利用者等の交通安全対策

(1) ユニバーサルデザインに対応した道路交通環境等の整備

【あんしん歩行エリアを中心とした道路交通環境の整備(平成15年度~)】
 交通事故が多発している住居系地区や商業系地
区を「あんしん歩行エリア」として指定(平成15
年7月796箇所)し,歩行者等の安全通行を確保
するため,都道府県公安委員会と道路管理者が連
携して面的かつ総合的な死傷事故抑止対策を講じ
る。具体的には,歩車分離式信号の運用,バリア
フリー対応型信号機の整備,信号灯器のLED(発
光ダイオード)化,道路標識の高輝度化・大型
化,歩道の段差・傾斜・勾配の改善,自転車道等
の設置,歩行者等を優先する道路構造の整備を推
進する。また,冬季バリアフリー対策についても
行う。

【共生のまちづくり推進(平成14年度~)】
 地方単独事業として実施するユニバーサルデザ
インによるまちづくりに対して,地域活性化事業
債(少子・高齢化対策事業)等による財政措置を
講じる。

【情報通信技術を活用した歩行者支援に関する研究開発】
 歩行者等の快適な自立的移動を支援するため,
関係機関と連携して,バリアフリー情報等の移動
に必要な情報の携帯端末等への提供を推進する。

【移動支援に関する研究開発(平成12~17年度)】
 高齢者等の身体状況に合わせた経路検索ができ
るバリアフリーマップを開発する。住宅地区とし
て東京都小金井,観光地区として京都府東山,大
規模地下街として東京駅周辺地区のマップを開発
した。京都東山はインターネットで公表してい
る。


(2) 車両安全対策による歩行者保護等

【歩行者頭部に係る保護基準の導入・安全情報提供(平成15年度~)】
 自動車と衝突した歩行者の死亡事故数を低減さ
せるため,自動車のボンネットの衝撃吸収性に関
する基準を平成17年9月より適用する。また,自
動車アセスメント事業において,自動車の歩行者
頭部保護性能に係る評価試験を実施し,ユーザー
への情報提供を行う。

【通信を活用した先進安全自動車の開発の促進(平成13年度~)】
 事故防止を目的として,平成20年頃の実用化を
目指す情報交換型運転支援システム(通信を活用
した歩行者・車間,車・車間等の情報交換により
ドライバーの運転を支援するシステム)の開発を
促進する。

【ノンステップバス認定制度の創設(平成13年度~)】
 高齢者,障害者にとって安全でかつ利用しやす
い「次世代普及型ノンステップバスの標準仕様」
を平成15年3月に策定した。これを踏まえて平成
16年1月に標準仕様を満たすノンステップバスを
認定する「標準仕様ノンステップバスの認定制
度」を創設した。

【公共交通移動円滑化設備整備費補助金(平成12年度~)】
 交通バリアフリー法の趣旨に基づき,高齢者等
が公共交通機関を利用しやすくするため,ノンス
テップバス等の導入に対して補助を行うことによ
りバリアフリー社会の実現を図る。


(3) 交通安全教育及び広報啓発の徹底

【高齢者宅訪問活動及び交通事故防止のワンポイントアドバイス】
 地域の実情に応じて,交通安全教育及び講習等
を受ける機会が少ない高齢者に対し,警察,地方
公共団体,交通ボランティア等が連携しての家庭
訪問による個別指導や,高齢者と日常的に接する
機会の多い医療施設や福祉施設等における交通事
故防止のワンポイントアドバイス等の交通安全指
導を推進している。

【高齢者交通安全意識高揚啓発事業(平成15年度~)】
 高齢者単独世帯の増加に伴い,家庭を通じた交
通安全の啓発が十分に行き渡らない状況を踏ま
え,高齢者の交通安全意識を高めるため,高齢者
を中心に,子ども,親の3世代が一堂に会した場
で,交通安全をテーマに交流する「世代間交流事
業」を推進するとともに,交通安全教室に参加し
ない高齢者を対象に,出前型により「高齢者世帯
訪問事業」を実施するなど,新しい社会構造に適
合した普及啓発活動を行う。

【自転車の安全利用に関する啓発】
 自転車利用者の交通ルール遵守及び交通マナー
の向上を促進するため,自転車の正しい乗り方に
関する講習会,街頭指導,各種広報活動等を関係
機関・団体と連携して実施し,特に,「自転車月
間」である5月には全国一斉の広報キャンペーン
等を展開するなど,自転車の安全利用を促進して
いる。
  また,高齢者向けの自転車の安全な乗り方に関
するビデオを作成し,幅広く活用促進を図ってい
る。


(4) 夜間及び薄暮時の交通安全対策

【反射材の着用の推進】
 交通安全教育,広報等を通じて,夜間における
交通事故防止に効果的である反射材用品の着用を
推進している。
  平成17年度には,全国的な反射材活用キャン
ペーンを展開したほか,反射材の活用推進をテー
マにした教育用ビデオを作成した。

【前照灯の早期点灯の普及】
 都道府県等を通じて薄暮時における前照灯の早
期点灯の普及を図っている。

【道路標識の高輝度化等の推進】
 道路標識の高輝度化・大型化及び道路標示の高
輝度化を推進する。


(5) 電動車いす安全対策

 【電動車いすの安全利用の推進】
  電動車いすの製造メーカー等で組織されている
電動車いす安全普及協会等と連携し,「電動車い
すの安全利用に関する手引き」や「電動車いす安
全利用ビデオ」の作成,安全利用に係る指導者の
育成,高齢者等の利用者を対象とした講習会の開
催等を行い,広く利用者に対する安全講習に努め
ている。今後とも,同協会等との連携を密にし
て,電動車いすに係る交通安全対策を推進する。

出典:平成18年度交通安全白書

高齢運転者の交通安全対策

「本格的な高齢社会への移行に向けた総合的な高齢者交通安全対策について」
(平成15年3月27日 交通対策本部決定)の推進状況(平成18年3月)

高齢運転者の交通安全対策

(1) 高齢運転者に対する講習等の充実

 【高齢者講習(平成10年度~)】
  運転免許証の更新を迎える70歳以上の高齢者
に,実際に自動車等の運転をしてもらうことや運
転適性検査器材を用いた検査を行うことにより,
運転に必要な適性に関する調査を行い,受講者に
自らの身体的な機能の変化を自覚してもらうとと
もに,その結果に基づいて助言・指導を行ってい
る。

【参加・体験・実践型の高齢者安全運転普及事業(平成18年度~)】
 高齢者及び地域活動に影響のある高齢者交通安
全指導員(シルバーリーダー)を対象とした参
加・体験・実践型の高齢運転者講習会を実施する
ことにより,地域における高齢者安全運転の普及
を促進させる。

【事業用自動車の高齢運転者に対する講習(平成13年度~)】
 国土交通省監督のもと独立行政法人自動車事故
対策機構等において,高齢運転者に対して義務付
けられている適齢診断を実施するとともに,適性
診断の結果を踏まえ,個々の運転者の加齢に伴う
身体機能の変化の程度に応じたバス,タクシー及
びトラックの安全な運転方法等について運転者が
自ら考えるように指導する。

【適性検査】
 高齢運転者の交通事故の状況を詳細に分析する
などして,適性検査の充実方策の検討を行う。ま
た,認知症の疑いがある運転者の把握に努め,安
全な運転に支障のある者については,運転免許証
の取消等の行政処分を行う。


(2) 他の世代の運転者に対する働きかけ

【政府広報における働きかけ】
 テレビ,雑誌,新聞等の各種媒体の政府広報を
通じて他の世代に対して,高齢者の身体機能の変
化を理解させ,思いやりのある運転をさせるよう
に働きかける。

【高齢運転者標識の普及(平成9年度~)】
 高齢者以外の運転者が,高齢者の身体機能の変
化に理解を深め,思いやりのある運転をすること
が重要であることから,高齢運転者標識(高齢者
マーク)の普及を図っている。


(3) 道路交通環境の整備等

【道路交通環境の整備】
 付加車線(ゆずりあい車線)の整備,道路照明
の増設,道路標識の高輝度化,大型化,道路標示
の高輝度化,信号灯器のLED(発光ダイオード)
化等を行うほか,「道の駅」等の簡易パーキング
エリアの整備等を推進する。

(4) 高齢者を考慮した車両安全対策


【本格的な高齢化社会の到来に向けた車両安全対策総合プラン(平成16年度~)】
 高齢者に重点をおいた車両安全対策を推進する
ため,事故実態調査及び行動分析を行うととも
に,高齢者の知覚向上等を図る新技術の開発を促
進する。

出典:平成18年度交通安全白書

市民参加型の交通安全活動の推進及び高齢者保護の強化

「本格的な高齢社会への移行に向けた総合的な高齢者交通安全対策について」
(平成15年3月27日 交通対策本部決定)の推進状況(平成18年3月)

市民参加型の交通安全活動の推進及び高齢者保護の強化

(1) 地域社会における交通安全対策

 【高齢者交通安全意識高揚啓発事業(平成15年度~)】
  1 (3)の事業内容と同様


(2) 交通指導員の資質向上と活性化
【市民参加型の高齢者交通安全普及事業(平成13年度~)】
 高齢者及び地域活動に影響のある高齢者交通安
全指導員(シルバーリーダー)の指導力を研修会
を通じて向上させることにより,地域における高
齢者交通安全学習を普及させる。

【参加・体験・実践型の高齢者安全運転普及事業(平成18年度~)】
  2 (1)の事業内容と同様


(3) 家庭における交通安全対策

【高齢者交通安全意識高揚啓発事業(平成15年度~)】
  1 (3)の事業内容と同様


(4) 学校における交通安全対策

【効果的な交通安全教育推進のための研究事業(平成15~17年度)】
 児童生徒に対して,高齢者や幼児など交通事故
の被害者になることが多い年齢層の歩行者の心理
や行動などの特性について理解させ,こうした人
達の安全を守るための意識の醸成を図るなど,効
果的な交通安全推進のための研究事業を実施す
る。
 
出典:平成18年度交通安全白書

 



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